【中国】営業税の増値税転換試行措置(営改増)の全面的展開

 

2016年3月23日に「営業税の増値税転換試行措置の全面的展開の通知(財税[2016]36号)」が公布され、2016年5月1日より施行されています。

これにより、流通税(増値税・営業税)が増値税に統合され、2012年1月1日より実施されている営改増試行措置が完了した事になります。

営改増試行処置は、以下の通り段階的に実施されていました。

 

1)「上海市の交通運輸業と一部現代サービス業において営業税の増値税転換試行措置を展開することに関する通知(財税[2011]111号)」

2012年1月1日より、上海地域に限定して、物流・リース・現代サービス業を増値税課税に転換。

2)「交通運輸業と一部現代サービス業の徴税に関する営業税から増値税への転換試行措置を全国展開することに関する税収政策の通知(財税[2013]37 号)」

2013年8月1日より、営改増試行措置の範囲を全国に拡大。また、対象となる業種に放送・映像業(TV、ラジオ、映画)が追加された。

3)「鉄道運輸と郵政業に関する営業税を増値税の課税対象とする事に関する通知(財税[2013]106号)」

2014年1月1日より、鉄道運輸・郵政業が対象業種に加えられた。

4)「営業税の増値税転換試行措置の全面的展開の通知(財税[2016]36号)」

2016年5月1日より、金融業、建築業、不動産業、生活サービス業が対象業種に追加された事により、営業税課税対象項目が無くなり増値税に統合された。

 

 

1.営業税を増値税転換する意義

増値税と営業税は課税方法が以下の通り異なっており、増値税と営業税の双方が関係する取引を行う場合、二重課税や税負担の不公平につながる場合がありました。

 

<増値税>

最終消費者が負担する。

よって、生産・流通過程においては、仕入時に増値税を仮払いし、販売時に顧客から回収した増値税と相殺控除をした上で、差額を納税する(理論上は生産・流通過程の企業は税負担無し)。

 

<営業税>

報酬を受領した企業が納税者となる。

元請・下請関係があった場合でも、原則として仕入控除は受けられない。

 

流通税(増値税・営業税)の一本化によって、この様な矛盾を無くすことが、今回の目的となっています。

営改増試行措置の開始前は、財貨の販売と加工補修役務が増値税の課税対象であり、その他は営業税の課税対象となっていました。

それが、物流・リース・現代サービスが増値税課税に転換され(2012年1月1日)、2013年8月1日には放送・映像業が追加、2014年1月1日には鉄道運輸と郵政業が更に追加されています。

今回の改定で、営業税の課税対象となっていた、金融、建築、不動産、生活サービス(飲食、娯楽等)等が増値税転換された事により、流通税が増値税に統合されたものです。

 

2.増値税転換後の税率

増値税の税率は、以下の通りとなります。

 

(1)財貨の増値税(増値税暫定条例に定める増値税)

標準税率:17%

特定商品:13% (食糧、水道水、ガス、新聞図書、農薬、農業機械、その他)

小規模納税人の税率:3%

 

※ 一般納税人資格取得は、製造業については年間80万元の課税売上高・その他企業については年間50万人民元以上の売上高が条件になり、それを満たさない場合は、一般納税人資格は取得できません(小規模納税人となる)。

 

(2)役務増値税(財税[2016]36号に定める増値税)

標準税率:6%

特定税率1:17% 有形動産のリース

特定税率2:11% 交通運輸、郵政、基礎電信、建築、不動産賃貸サービス、不動産販売、土地使用権販売

小規模納税人の税率:3%

 

※ 一般納税人資格の取得は年間500万元以上の営業額で、その基準を満たす場合は、一般納税人資格の取得が義務付けられます。但し、それを満たさない場合でも、納税義務者が申請すれば、一般納税人資格の取得が認められます。

 

因みに、今回増値税課税に転換された業種については、従来の税率(営業税の税率)は、建設業・文化体育業が3%、金融保険業・無形資産譲渡・不動産販売が5%、娯楽業が5~20%となっており、総じて税率は引き上げられていますが、その分、一般納税人の場合は仕入控除の適用が可能となりますので、有利不利は一概には言えません。

 

 

3.納付税額の計算方法

増値税の課税方法は一般計算方式と簡易計算方式に分かれます。

一般納税人が課税行為を行う場合は一般計算方式を適用し(財政部及び国家税務総局が定める特定の課税行為では簡易計算法式も可)、小規模納税人が課税行為を行う場合は簡易計算方式を適用して課税します。

 

一般計算方式の納付税額とは、当期の売上税額から当期の仕入税額を控除した後の差額を指します。

【納付税額】 = 当期の売上税額 - 当期の仕入税額

【売上税額】 = 売上高 × 税率

【売上高】 = 税込み売上高含 ÷(1+税率)※売上高は売上税額を含みません。

 

簡易計算方式に基づく納付税額とは、売上高と増値税徴税率で計算した増値税税額をいい、仕入税額を控除してはなりません。

【納付税額】 = 売上高 × 徴税率

【売上高】 = 税込み売上高 ÷(1+徴収率) ※売上高はその納付税額を含みません。

 

国外組織、または個人が中国国内において課税行為を提供する場合で、中国国内に経営機構を設置していない場合、源泉徴収義務者は下記算式により源泉徴収すべき税額を算定します。

【源泉徴収すべき税額 = 購入者が支払う金額 ÷(1+税率)× 税率】

 

なお、下記項目の仕入税額は売上税額から控除してはならないと規定されています。

・簡易計算方式を適用する課税項目、増値税徴収免除項目、集団福祉または個人消費に利用する商品購入、

加工・修理・部品交換または課税役務。納税人の交際接待費は、個人消費に属します。

・非正常損失

・旅客運輸サービス、融資サービス、飲食サービス、日常サービス、娯楽サービス。

・財政部及び国家税務総局が規定するその他の状況。

 

 

4.免税・ゼロ税率

特定の国際取引を行う場合、ゼロ税率(増値税輸出還付可能)・免税(課税は無いが、輸出還付は不可)が適用されます。36号通知・付属文書4には、適用条件が以下の通り規定されています。

 

ゼロ税率適用項目

1)国際運輸

2)宇宙航空

3)国外の組織に対して完全に国外で提供する以下のサービス

研究開発、エネルギー管理、・設計、報道映像作品の制作と配信、ソフトウェア、電気回路設計・測定、情報システム、業務フロー管理、オフショアでのサービス請負

 

免税措置適用項目

1)工事が国外で行われる建築サービス、工事が国外で行われる工事監督サービス、工事・鉱山資源が国外にある工事監察調査サービス、会議展覧場所が国外に有る会議展覧サービス、保管場所が国外にある倉庫保管業務、対象物件が国外で使用される有形動産リース業務、国外で提供される放送映像作品の放送サービス、国外で提供される文化体育サービス、教育医療サービス、旅行サービス

2)輸出貨物の為に提供する郵便サービス、配送業務、保険サービス

3)国外単位に提供する、完全にサービスが国外で行われる以下のサービスと無形資産

・電信サービス

・私的所有権サービス

・物流補助業務(倉庫保管、配送サービスを除く)

・ビザ、コンサルティングサービス

・専門技術サービス

・商業補助業務

・広告が国外で行われる広告サービス

・無形資産

4)国際フォワーディング業務

5)国外単位間の貨幣資金決済及びその他の金融業務が提供する直接費用徴収サービスであり、そのサービスが国内貨物、無形資産、不動産と関係ないもの。

6)財政部と国家税務総局が定めるその他のサービス

 

5.実務上の影響

新規で増値税課税に切り替えられる業種は、当然、会社としての適用税目変更になるため、大きな影響があります。

既に増値税課税に切り替えられていた業種(販売、製造、物流等)についても、課税切り替えが生じる項目があります(コミッションが営業税の課税対象から増値税に切り替わる等)。

また、駐在員事務所の経費課税についても、営業税から増値税に切り替わりますが、それに際して、各駐在員事務所に一般納税人と小規模納税人の選択指示が税務局より来ている状況です。一般論で言えば、駐在員事務所の場合、仕入税額が殆どない事から、(仕入控除が受けられなくても)税率が高い一般納税人(6%)より小規模納税人(3%)を選択した方が有利です。

但し、経費額が500万元を超過する駐在員事務所は一般納税人の選択を強制される動きが見られます。但し、駐在員事務所が一般納税人を選択した場合、仕入控除が適用できるかについては、現時点では法的指針が出されていない状況です。

 

6.財税[2016]36号通知の日本語訳について

財税[2016]36号は4つの付属文書で構成されており、重要な内容を含む付属文書1、2、4については弊社で日本語訳をしていますので下記からご参照ください。

 

付属文書1 営業税の増値税転換試行実施弁法(一般公開)

http://www.mizuno-ch.com/modules/shotokuzei/12.php

付属文書2 営業税から増値税への徴税変更の施行関連事項に関する規定(MCH会員様限定)

http://www.mizuno-ch.com/modules/kitei/ 

付属文書3  営業税から増値税への徴税変更の施行経過措置に関する規定

付属文書4 クロスボーダー課税行為に適用する増値税ゼロ税率と免税政策の規定(MCH会員様限定)

http://www.mizuno-ch.com/modules/kitei/

 

以上

 

【お問い合わせ】

株式会社チェイス・チャイナ

横浜市西区みなとみらい2-2-1横浜ランドマークタワー20階

Tel:045-277-3777  Fax:045-277-3801 

E-mail:info@chasechina.jp(担当:横幕、杉山)

 

www.makiko-omokawa.jp Blog Feed

堀口英剛(代表取締役 CEO)さん・平岡雄太(代表取締役 COO)さん 株式会社ドリップ創業者 (水, 06 9月 2017)
>> 続きを読む

森 泰輝さん 株式会社VAZ代表取締役社長 (木, 08 6月 2017)
>> 続きを読む

西名 美和子さん 株式会社Flantesse(フランテッセ)代表取締役・フラワーデザイナー (土, 11 2月 2017)
>> 続きを読む

ダイヤモンド・オンライン - 新着記事

エポスプラチナカードがインビテーション不要に! “実質”年会費無料で「グルメクーポン」などの お得な特典が付帯するプラチナカードの実力を検証! - クレジットカードおすすめ最新ニュース (土, 18 11月 2017)
>> 続きを読む

横浜・寿町、白昼堂々の違法賭博にヤクザが闊歩する異世界(上) - JAPAN Another Face (土, 18 11月 2017)
>> 続きを読む

連合赤軍の元活動家は獄中27年で「革命」をどう総括したか - 『週刊ダイヤモンド』特別レポート (土, 18 11月 2017)
>> 続きを読む

吉方位へ温泉旅行あいまに読書

【開運!吉方位旅行】北国街道の宿場・岩室温泉と弥彦神社 (土, 18 11月 2017)
>> 続きを読む

立冬から働き方改革!早起き、早朝から仕事に変えたら? (火, 14 11月 2017)
>> 続きを読む

大学生のブログランキング 11月14日まで (月, 13 11月 2017)
>> 続きを読む

www.food-fukushima.jp Blog Feed

2017年10月にもっとも読まれた投稿ベスト20 (金, 03 11月 2017)
>> 続きを読む

二本松市 大七酒造 (火, 31 10月 2017)
>> 続きを読む

なりきり新選組「新選組フォトコンテスト」来年1月末日まで (火, 31 10月 2017)
>> 続きを読む