先月末、総務省から、2016年の人口移動報告が発表されました。
これは、住民基本台帳に基づいて、昨年1年間の国内における人口の移動状況をまとめたものです。
報告によれば、全国47都道府県で、転入数が転出数を上回ったのは、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、愛知県、福岡県、大阪府のわずか7都府県です。
その中で東京圏(一都三県)は、21年連続の転入超過となりました。
特に東京都は7万4177人の転入超過で、全都道府県でダントツです。
転入超過数で第2位の千葉県の約4.6倍の人口を集めています。
前年の約8万人からわずかに減少していますが、依然として転入超過数全体の6割を占めています。
しかも東京に集まり続けているのは、人だけではありません。
人とともにお金も集まってきます。
現在、そしてこれからの相続によって、巨額の金融資産が東京に流れ込んでくるといわれています。
そのインパクトは地方の有力銀行がまるまる、無くなってしまうほどの規模です。
人とお金が集まれば、賃貸需要にも、大きな影響を及ぼしそうですよね。
将来にわたって安定して家賃収入を得るためには、賃貸需要の先行きを知っておくことは大切です。
そこで、今回のコラムでは、最新の人口移動報告と資産移転のポイントを踏まえ、東京の賃貸需要について、考えていきたいと思います。
先ほどもお伝えした通り、2016年の人口移動報告では、転入数が転出数を上回ったのは7都府県。
一方、残りの40府県は転出超過、ワーストの北海道は6874人の転出超過となっています。
これらを、さらに月別にみると、興味深い傾向が浮かび上がります。
人口の移動は進学や就職を機にした引越しが増える、2月~4月に集中しています。
当然、入居者の入れ替えも多くあり、1年で最も賃貸需要が旺盛な時期です。
この期間に潜在的な入居者が増えるのか、減るのかが、賃貸需要の安定性を見極めるポイントになります。
この3か月だけをみると、東京都は約54000人の転入超過で、しかも、ほぼ100%が賃貸需要を生み出す15~29歳の若年層です。
以下、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、大阪府、福岡県、京都府の順でこの時期に人口が増えています。
裏を返せば、その他の道県は引っ越しシーズンのピークに人口を減らしてしまっているのです。
では、2月~4月を除くオフシーズンの人口移動はどうなっているのでしょうか。
実は、神奈川、大阪、京都では、転出数のほうが多くなってしまいます。
たとえば大阪府では、2月~4月に2907人の転入超過を記録していますが、1月と5月~12月の9か月間では、1113人の転出超過で、人口が流出してしまったのです。
三大都市圏の一つである大阪圏ですら、オフシーズンは人口流出を避けられていないのが現実です。
ましてや、上記以外の道県は、ほとんどで年間を通じて人口が減る一方です。
対照的に、東京はこの9か月間にも、約2万人の転入超過があり、マイナスになる月はただのひとつもありません。
言い換えれば、年間を通して新たな賃貸需要が生み出され、安定しています。
北海道、宮城、愛知、大阪、福岡といった地方の中心都市圏からも、1年間でそれぞれ4万人以上が東京へと流れ込んでいます。
そして、東京に集まった人口は、次第に地方から、お金も引き寄せていきます。
預金残高の状況からお金の流れを確認していきましょう。
日銀が公表している国内銀行の預金残高データによると、前年と比較して、全国的に預金残高は増加しました。
しかし、その伸び方には地域差があります。
東京都における昨年末時点の預金残高は、約245兆円で全預金の3分の1を占めています。
昨年末の205兆円から約20%も増えました。
一方、他の46道府県では前年比3.1%増にとどまっていますので、東京は6倍以上の伸びです。
お金が東京に集まるこの構造は、今後さらに加速すると言われています。
原因は相続の発生です。
高度成長期以降に都市圏に流入してきた世代には、親を地方に残したままという人がたくさんいらっしゃいます。
地元に帰らずに生活の拠点を都市に置いていますから、もし相続が発生した場合、金融資産は都市圏へと移ることになります。
フィデリティ退職・投資教育研究所が、直近5年以内に相続を受けた約5600名を対象に行った調査があります。
これによれば、親族の死去で相続する際、財産を地方銀行や信用金庫といった地元の金融機関に残す人は、4割程度にとどまることが分かりました。
多くの相続人は自らが普段利用している都市銀行に、金融資産を移します。
地方から都市への資産移転はもう始まっているのです。
さらに、今後の見通しについては、三井住友信託銀行がレポートにまとめています。
示されているのは、今後、日本の金融資産の実に4割が東京圏に集中するとされる推計です。
老齢人口の増加と、死亡に伴い、地方から都市への資金移動は飛躍的に増えていきます。
今後20~25年で、約30兆円の資産が東京圏に集まってくる見込みです。
逆に地方から資産は流出し、たとえば四国からは約4.4兆円の金融資産が、出ていってしまいます。
香川県最大の銀行である百十四銀行の預金残高は、約4.1兆円です。
有力地方銀行が丸々一つ無くなってしまうほどの、巨額の資産移動がこれから発生し、東京にお金が流れ込んできます。
人そしてお金が集まれば、より多くの消費を生み出し、経済活動が活発になります。
東京都の都内総生産は、すでに日本全体のGDPの約2割に相当します。
また、経済が活発になれば、新たな雇用が生み出されます。
東京の有効求人倍率は2.01倍で、求人ひとりにつき、2つの仕事がある状態です。
これは、全国平均の1.36倍を大幅に上回っています。
職業の選択肢を求め、さらに全国から東京に人がやってきます。
このプラスのサイクルが強力に回り続けている限り、東京の賃貸需要は、そう簡単に衰えることはありません。
どれだけ立派な不動産でも住む人がいなければ、収益を生むことはありません。
10年、20年という長期に渡って安定した賃貸需要が見込める東京だからこそ、不動産投資で収益を上げ続けることができるのです。
将来にわたって賃貸需要が見込める東京で不動産投資を始めることがお勧めいたします。
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